酪農業を通じて、食べ物をいただく有難みを肌で感じることができました
河端央さん
滞在期間 2020/9/4~2020/9/15
実施レポート
酪農業を通じて、食べ物をいただく有難みを肌で感じることができました
河端央さん
滞在期間 2020/9/4~2020/9/15
2020/09/08
今日は勤務初日でした。まず最初に、広大な敷地内を案内していただきました。その間に場長から酪農業について様々なことを学びました。自動化が進んでいること、牛は暑さに弱いこと、農場経営のやりがい・難しさ、そして乳牛も歳をとると国産牛として出荷されること、等についてです。今まで食べていた牛肉はこのような過程を経て私たちのもとへ届いていたものもあるのかと思うと、食べ物に対する有難みをより一層感じることができました。
午後からは仔牛の世話をしました。数時間の作業でしたが、かなり汗だくになりました。体力が重要な仕事だと改めて実感しました。
2020/09/09
最初に搾乳後の牛の乳房を消毒しました。牛の足の間から消毒を行います。足を広げて待っている牛は消毒しやすいのですが、閉じたままだと非常に難しかったです。機嫌を損なうと蹴られてしまうこともある為、とても慎重に行いました。乳量も牛によって様々だとわかりました。
次に牛の寝床を清掃しました。牛糞を掻き出す作業もしましたが、臭いがとても強く感じました。牛たちはとても人懐っこく、こちらに近寄ってくるのでとても可愛かったです。しかし油断していると蹴られたり、発情期は雌牛でも突進してくるそうなので、警戒は必要だと教わりました。
牛の世話をしていると、普段飲んでいる牛乳は、このような過程を経て私たちの元に届いているんだと感じるようになりました。そして大切なものをいただいていることに対し、改めて感謝したい気持ちになりました。
最後は仔牛の世話をしました。昨日と同様で仔牛たちにミルクをあげました。今日生まれたばかりの仔牛もいましたが、毛がとても柔らかく可愛かったです。ミルクの飲み方も様々で、少しずつ飲む子もいれば一気に飲んでしまう子もいて、牛にも個性があるなと感じました。社員の方からは「牛も愛情を持って育てられた子は人懐っこくなる」と教えていただき、子育ては人間も牛も同じだと思いました。
2020/09/10
午前中は牛の追い込み作業を行いました。大勢の牛たちを搾乳場所へ追い込みます。より近い距離で牛と接しましたが、これまでは気が付かなかった体格の違いなど、それぞれの牛の状態がより詳細にわかりました。
それから仔牛の世話をしました。生まれたばかりで上手くミルクを飲めなかった子が、今日は上手に飲んでいる様子を見ると、日々成長していることを実感でき、感動しました。今日は親牛も仔牛もよく鳴いていたのですが、仔牛はミルクを飲み終わると牛舎が静まり返り、眠たそうにしている様子がとても可愛かったです。
2020/09/11
今日は搾乳前の乳頭の拭き取り業務と、ロボット搾乳機の清掃業務、そして最後に仔牛の世話をしました。手動で搾乳する前に体調に異常がないかをチェックして消毒をするのですが、今日はその後の消毒液の拭き取りを行いました。しっかり拭き取らなければ、のちに搾乳器具をつけて搾乳する時に消毒液が混ざってしまうので、焦らずきちんと拭き取ることを意識しました。搾乳経験が浅い牛はふき取りを嫌がりますが、今回担当した牛たちは経験が長かったのか、蹴られたりすることなく終了しました。
ロボット搾乳機の清掃では、全自動で搾乳を行ってくれるものの、汚れは人の手で落とさないといけません。清掃中は牛が中に入らないようにと注意して作業しました。機械はとても高額みたいなので、とても緊張しました。
仔牛の世話ではミルク作りをしました。成長した仔牛たちは、ビンではなくバケツで飲むそうです。一度に大量に作るため、中腰がとても辛かったです。この日は新しい仔牛が4頭も生まれたので、その子たちに施す処置もあり、いつも以上に大変でしたが、やっぱり仔牛は可愛かったです。検温にも初めて挑戦しました。肛門から体温計を入れるのですが、嫌がる子もいたので難しかったです。体調を崩している仔牛達だったので、何としてでもやらないと!と度胸がつきました。
2020/09/12
遠野に行く途中の景色が、一面に広がった山と田畑でとても美しかったです。普段見られない景色に興奮しました。遠野では観光タクシーの運転手の方が「ふるさと村」「伝承園」「カッパ淵」を案内してくださいました。お別れした後も、わざわざ私たちのところへ来て帰りの電車について教えてくださり、本当に助かりました。最初のふるさと村では曲り家を見ました。昔は馬と一緒に一つ屋根の下で暮らしていたことを知りました。次はカッパ淵に行きました。昔かカッパがいた場所としてとても有名だそうです。しかし、それ以上に水が綺麗で冷たかったことが感動的でした。透き通っていてとっても綺麗でした。最後は伝承園に行き、娘と馬の物語を聞かせていただきました。運転手の方とお別れした後は、お土産の明がらすとチョコロック(ラムレーズンとクルミが入ったパウンドケーキ生地をチョコレートでコーティングしたもの)を買いました。とっても美味しかったです。長時間の移動でしたが、その時間も楽しむことができ、良い休日になりました。
2020/09/14
今日は牛のせりを見学しました。毛並みの艶や病気の有無などを基準に、次々と牛の価格が決まっていきました。その際、経営の工夫について学び、コロナ禍で経営を維持していくためにはあらゆる方法を実施していく重要性も同時に学びました。
その後牛舎に戻り仔牛の様子を見に行くと、生まれたての仔牛一頭が親牛にふまれて怪我をし、亡くなってしまいました。衝撃的な出来事でした。このように亡くなってしまう仔牛がいる中で、健康に問題なく育つ牛ばかりではないのだと、今日のせりを含めて色々と考えさせられました。
2020/09/15
本日は最終日でしたので、いつも以上に牛に感謝しながら業務を行いました。牛には4つの乳房があるのですが、乳頭が潰れていたり、ミルクが出ない箇所もあったりと、全ての乳房からミルクが出るわけではありません。私たちは限られた乳量からおいしい牛乳をいただいているのだと改めて感じました。
次はいつも通り寝床の掃除を行い、搾乳機の清掃もしました。最後は仔牛のお世話です。新しい仔牛が4頭入ってきたので、いつも以上に作業が多く頭を使いましたが、仔牛たちが元気に育ってくれることを願いながら業務に励みました。ここの牛たちは仔牛を産んでもすぐ人間に取り上げられてしまい、子育てを経験する牛はいません。その為、仔牛を産んでも接し方がわからない親牛もいるそうです。私が勤務している間に生まれた仔牛の中には、大きな牛に太ももの骨を踏まれ、亡くなった仔牛もいたそうです。この事実を知ると、今私が世話をしている仔牛たちには、沢山の愛情をもって育ててあげたいと強く思いました。
最終日の夜は社員の皆様とお食事をしました。普段お話しする機会があまりなかった社員の方とも楽しい時間を過ごすことが出来ました。社員の皆様には本当に良くしてもらったので、また遊びに行きたいと思います。本当にありがとうございました。
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